戌亥天中殺のみなさんへ その2


全国の戌亥天中殺のみなさんこんにちは。
わたくし本宇宙船のチーフCA、乾ヶ浜戌枇杷(けんがはま・いぬびわ)と申します。後ろにずらりと並んでおりますのは本船のCAチームでございます。一同礼。(全員深くおじぎ)。
早いもので前回のミーティングからちょうど1年たちました、スパンが少し長すぎましたことをお詫び申し上げます。そのぶん濃ゆい内容のミーティングにしてまいりますのでどうぞご了承くださいませ。

さて本船の名称は「宇宙船戌亥号」、戌亥天中殺グループ専用のシンプルで質実剛健な宇宙船。本船は12年に一度、戌年と亥年の2年間に限り大宇宙を運行しております。みなさんには2018年2月4日よりご搭乗いただいておりますがいかがでしょうか宇宙ライフを満喫しておられますでしょうか? 
はいみなさんさりげなくうなずいたのかうなずいてないのか微妙な線で上手にやりすごしましたさすがです。
このグループの特徴は「24時間365日心の中で座禅している」「グチを言わない」「目に見えるものより見えないものを重んじる」「現実の地平線から30センチほど浮いている」ものごとの核心を突くのが得意」「思ったことをズバッと口に出す」「禁句という文字が辞書にない」「確固とした信念があり、いついかなるときもブレない」「餅菓子が好き」などです。
よく言えば凡人離れしてカリスマ性がある、悪く言えば取っつきにくい、正直過ぎてこわい、いかなるものにも動じない。陰に偏った戌亥はバットマンのジョーカー、ハンニバルレクター、シャイニングのジャックトランスなど無敵の悪役となり、陽に偏った戌亥は高僧、大司教、ココロのボス、みんなの希望の星として天高く輝きます

戌亥天中殺とひとくちに申しましても全員がまったく同じタイプというわけではありません、生年月日から導き出す「干支番号」によってさらに細かく見ていくことができます。干支番号とは地球に生まれ落ちるときに宇宙から与えられる背番号のことで専門用語では日干支、ここに乗船していらっしゃるのは日干支が1番から10番までの方々です。ではそれぞれ簡単にご説明してまいりましょう、ちなみにご自分の背番号につきましては各自ネットでご確認ください。

トップバッター背番号1番の別名は甲子(きのえね)、クールな切れ者でマイペース、アタマもよければ行動力もある、無から有を生み出すハイパースキルを備えており、どこにも属さない唯我独尊の強さをお持ちです。
2番は乙丑(きのとうし)、見た目まるで食パンのようにソフトですが奥底には強烈な自我がありやるときゃやる、この人が本気になったら相手が誰であろうと引きません、最後まで粘って粘って粘り勝つでしょう。
3番は丙寅(ひのえとら)、明るく伸びやかで愛嬌があるので人目をひき、異性同性問わずモテます。フットワークが抜群でほしいものはバシッとつかみますが関心がなくなるとポイッと手放すむら気な一面もあります。
4番は丁卯(ひのとう)、快活で世渡り上手で正直なので人から好かれますがわりと気分屋、その場のなりゆきでコロッと考えを変えることがあります。言動に責任を持つよう心がけると開運します。
5番は戊辰(つちのえたつ)、超頑固でゴーイングマイウェイ、精神的にタフでしぶとく思い込んだらてこでも動きません。ありあまる激しいパワーはしっかり燃焼させる必要があります、力を持て余すくらいなら世のため人のために使いましょう。
6番は己巳(つちのとみ)、セクシーで魅力的ですが気性が激しいです。好きな人ときらいな人がはっきりしていて、ときと場合によっては激しい戦いも辞しません。特に身内と争いが生じることがあるので注意が必要です。
7番は庚午(かのえうま)。誇り高き騎士。見た目はクールですがプライドが高く、自分の誇りを傷つけられると鋭い剣をふりかざして戦います。ですが信頼する身内には深い愛情を注ぐでしょう。
8番は辛未(かのとひつじ)。ものごとを達観していて、いぶし銀のような魅力を持っています。洗練されたセンスと審美眼を持ちますが人間関係で束縛されるのが苦手で、独身を貫く人もいます。
9番は壬申(みずのえさる)。協調性があり、どんな環境にもなじめます。自分を周囲に合わせるのが得意ですが内面は意外に繊細でデリケート、安易に人を踏み込ませません。持ち前の好奇心と向上心を活かせば成功するでしょう。
10番は癸酉(みずのととり)。一見おだやかでにこにこほんわかしてますが頭の中では超高速で演算処理しています。「計算高い」「実は勝負師」という噂もありますが基本は面倒見のいい情の深い人です。

・・・はいここまでよろしいでしょうか。
同じ戌亥という船に乗っていても生年月日によって個性は千差万別、さらにそこに宿命中殺だの三業干支だの異常干支だの祖父母や親から受け継いだDNAだの育った環境だの住んでる家だのだのだのだのーんが加味されてこの世にふたりとないあなたが存在するわけです。
どの人も必然性があってこの世に生まれてきた、何かしらの役割お役目クリアすべき課題があって生きている、見方を変えれば生かされている。だからわたくしたちは命ある限り前向きに懸命にひたむきに生きなければなりません、あなたを生み出したのは宇宙の意志、マザーアースならぬマザーユニバース、あなたがいなくては宇宙の調和は成り立たないのです。
調和なんか全然してないじゃんと思う方もいらっしゃいますか、では窓の外の地球をごらんください、青く輝いておりますでしょう? ミクロの目で見ればあちこちくすんではいてもマクロの目で見ればひとつの球体としてきらきら完璧に光っている、細けえことは置いといて地球という球はこの暗黒の大宇宙において明るく美しくハモりながらひたむきに輝き回転している、そのハモりの重要な一員としてあなたが選ばれました。 

・・・少し冷えてまいりましたね、温かいお飲み物をご用意いたしましょう。CAがおそばにまいりましたら遠慮なくお好みのものをお申しつけくださいませ。コーヒー紅茶梅昆布茶、麺なしのラーメンスープ塩・味噌・醤油・背脂チャッチャ系もございます。

さてみなさん2018年戌年はどんな年でしたか?
「人間関係でさんざんな目に遭いました」「長年のパートナーと訣別しました」「お金の貸し借りでもめました」「会社がつぶれました」「病気やケガが多かったです」「森を散策していたら玉虫色のマントの人がいたのでポットの紅茶とクッキーを分けてあげたら聞いたことのない言語で何か言いました」。
トラブルが人間関係に出るか金銭面に出るか身体に出るか精神面に出るかは同じ戌亥グループでも人によって異なります、簡単に言うとその人の最も弱いところに出るのです。いずれにしても天中殺中のトラブルは「その人がクリアしなければならない課題」ととらえ、原因の掘り下げと対策が必要です。宇宙にいる間にこれをやりませんと、地球に戻ってからも同じ問題がスケールを増しながら繰り返し起こるでしょう。

気をつけたいのは身体のトラブル、戌亥のみなさんは見た目はタフでもひとりでじっと考え込む習性があるのでストレスが内側に溜まりやすく、知らないうちに体調を崩すことがあります。頭が痛いのはひとつの考えに固執しているから、のどが詰まる息がしにくいのは言いたいことを言えないから、胃が痛いのはものごとを消化できないから、便秘は思いを溜め込んでいるから、下痢はプレッシャーがきつすぎるのが原因かもしれません。また「こんな自分が大きらい」「ばかばか自分のばか」などと常に自分を責めさいなむと自己免疫疾患を引き起こしたり、ひとつの思いに頑固にずっととらわれていると高血圧や不整脈など循環器系に支障を来すことがございますのでお気をつけください。病気とは「これちょっと改善してもらえませんか」「身体に負担かかってるんですよね」という自分の奥底からのサイン、いったん身体に出た病気は根性や克己心では治りません、重くなる前に病院へGO! でございます。


ではこれから九星別に点呼を取り、今後の傾向と対策をお伝えしてまいりましょう。呼ばれた方は挙手願います。

★一白水星さん、お顔に余裕がありますねさすが戌亥の一白順応性が高い、無重力の船内でくるくる回転したり縦横無尽にすいすい平泳ぎしたりけっこう楽しそうですね。実は2019年の一白水星は「人生の喜び」の席に座っていらっしゃいます、しかしここは地球ではなく宇宙、無重力の世界では「いつものカンが働かない」「こうしたいと思ってもなかなか思い通りにならない」「ブレーキもアクセルも効かず暴走しやすい」「踏ん張りがきかない」「ものごとが裏目に出やすい」になりがちです。
特にお酒の席では暴走しやすいのでお気をつけください、1杯が2杯、2杯が3杯になって1本空いちゃった、マスターもう1本持って来ていいの大丈夫これくらい全然平気と強引にボトルを奪って飲み始めた時点で記憶が消えている、翌朝会社に行くと周囲の目がなんだか白い、どころか後ろ指もさされてる、そのうち組み合わせた指の上にあごを乗せたジョージクルーニー似の部長から「きみ昨日やったこと覚えてる?」と憐れみの目で話しかけられるわけです恐ろしいですね。
恋愛や人間関係も自分と相手の間に誤差が生じやすい傾向、「はいこれ誕生日プレゼント、オーボンビュータンのプチフールセック、ほしいって言ってただろ」「私が言ったのはオーブンレンジのヘルシーシェフ!」、そんな誤解曲解早とちりがたび重なってしまいにゃ「わざとやってるでしょう」と冷たい目で見られるおそれ、聞き間違い言い間違いの裏には自分の願望欲望が隠れています、「人生の喜び」が一転して「人生の哀愁」にならないようお気をつけくださいませ。

★二黒土星さん、ああふて寝してる。おーい起きてくださいーい今ミーティング中ですよー。お気持ちはわかりますたしかにうだつの上がらないもとい波風ひとつ立たないぬる〜い日々がずっと続いておりますものね、さあこれから面白くなるかもだぞと思った矢先にいきなりものごとが尻切れストップ、その後来る日も来る日も無風状態つまり停滞してむなしく時間が過ぎていくばかり、「これ放置プレイですか」とあせっていらっしゃるのではと存じます。
ええいいのですそれで、解消中断打ち切りは新しい展開を迎えるために必要不可欠な階段の踊り場、ここでひと息ついて茶ぁでも飲みながらじっくり次のステップの構想と作戦を練りましょう。人生は長い、あせることはない、過去の栄光や未練は潔く断ち切り次に何をするかこの宇宙空間でゆっくりお考えください。
「続きをやらなければ」「とにかく何かしなければ」とあせって無理やり自分から働きかけると時間とお金と労力のむだになりやすい、日々の生活をきちっと営みながら無心に過ごしていればそのうち向こうからお声がかかってくるでしょう。
すでにひと足早くお声がかかっている二黒もいらっしゃいますね、みなさんの本体はここにありますが地球上で東奔西走しているホログラムが見えます。「こんなに忙しくなるなんて聞いてない」「どうして私がこれをやるのか意味わかんない」などとグチをこぼさず与えられたお役目をまっとうされますように。
戌亥の二黒は停滞中の方ご多忙中の方真逆のパターンにぱっきり分かれるかと存じますが、どちらさまもあせらずマイペースを保ちましょう。

★三碧木星さん、ちょっと元気がないですね、ああ人間関係で悩んでいますとお顔に書いてありますね。味方だと思ってたら裏切られた、よかれと思ってアドバイスしたらよけいなお世話とはね返された、敵がとうとう宣戦布告してきた、仲のよかったグループからランチ誘われなくなった、うーんそれはお辛いでしょう。
三碧は今年「別れと出会い」のお席に座っていらっしゃいます。出会いの前にまず別れがくる、クローゼット内の不要な服を捨てるとその後もっといい服が手に入る現象と同じですね、開運学では「いらないものを手放せ、もっといいものが手に入るから」と申します。
会っても楽しくない相手、平気で礼を失する相手、大事なことをうやむやにする相手、違和感を感じる相手、じゃあねと別れた瞬間にもやもやする相手は異性同性問わず縁が切れかかっている可能性が大、頑張ってつき合ってもエネルギーを消耗するだけなので少し距離を置いてみる、いっそもう会わないほうがベターかもしれません。
もともと戌亥の三碧に「寂しい」という文字はない、終わった関係にしがみつくより風の吹くまま気の向くまま身軽にあちこち飛び歩いているほうがいいのです。「人間関係は川の流れのように変化する」「無理に人に合わせるより自分の好きにやるほうがストレスは少ない」「友達はいいもの、でもいなくても支障はない」、この3本のフレーズを脊柱にさし込み、背筋をスッと伸ばして堂々と人生をお進みください。

★四緑木星さん、ああ迷いに満ちたお顔をしていらっしゃる、この先が不安ですか? 悩みや心配ごとでなかなか寝つけずやっと寝たと思ったら夜中の2時3時にクワッと目が覚める? ああどうしよういったいどうすればいいのかと悶々と自分と戦いながら真っ暗な窓を見つめてるうち新聞配達のスクーターの音が聞こえてきますか?
・・・だいじょうぶすべて気のせい色即是空、あなたを取り囲む世界に実体はありません、気持ちが形になって映像を結んでいるだけです。人の気持ちは常に変化するので目の前の映像も刻々と変わります、ほらお天気と同じ、しばらくしてから空を見上げると雲の形が変わっていたりいつの間にか消えたりするでしょう? 女心と秋の空って言葉がありますけども人の心って空と一緒なんですね。どんなに重苦しい暗雲が垂れ込めてもその上では常に明るい太陽がさんさんと温かい光を放っています、ですから今あなたがどん底の気分を味わっているとしてもそれで終わりじゃない、もうちょっと待てばじきに晴れてくるのでご安心くださいませね。
はいこの先の心がまえは「どうせ同じ一日を過ごすならくよくよ悩むよりあはははと笑って過ごせ」。無理やりでもやけくそでもいいのでとにかく声出して笑う、鼻で笑うのではなく口開けて笑う、笑ってるうちにまわりの風景の輪郭がちょっとずつ変化してまいります、たとえばスーパーで赤ん坊にニコッとされたり駅の改札で落ちましたよお嬢さんとイケメンがハンカチ拾ってくれたりキミやればできるじゃないかと強面の上司からほめられたり通りすがりの犬や猫や鳥から甘えられるなどすてきなことが起こるでしょう。すべては気の持ちよう、さあ今日から笑顔の練習です。

★五黄土星さん、はい。さすがは泣く子も黙る戌亥の五黄、天中殺の後半に来てなお揺るぎない重鎮感とお前ら雑魚に用はない的な圧倒感、どきなさいよ私の行く手ふさぐとケガするよ的な尊大感が満載です。しかしよくよく見ますと目の下頬の下あごあたりにコンシーラーでは隠しきれない疲労感がにじみ出ていますねお疲れさまです。
みなさん去年は大忙しでしたね、パワー120%出し切って頑張りましたが正直言って手応えは今ひとつ、「あれっ自分何か間違えてる?」とめったにしない反省をするものの答えが見つからなかったことと存じます。いいのですそれで、たとえ結果がついてこなくても汗水垂らして懸命にパワーを燃焼させることがこの時期は大切、それによって過去10年間にこびりついた業、垢、厄が焼かれて心身が清まるのですから。
問題なのはここにきてひとつも疲れてない五黄、いつもと変わらぬ五黄、日々是安泰な五黄、つまり去年1年間を淡々と過ごしてきた五黄です。せっかくここ大宇宙で地球にいる自分の姿を客観的に眺める時間があったのに今まで何しとったのあんた、ここで厄落とししなかったら今後10年身体重くてしゃあないで、地球に帰ってから歩くのも走るのもしんどいしいざというときジャンプできひんよみたいなことになりがちです。今からでも遅くありません、やるべきこと、やらなければならないことに着手してパワーを燃やしましょう。幸いこれから徐々にやる気が復活してきますよ、もちろんいつもと異なる環境にいるので無理は禁物ですが自分を信じて明るく元気にまいりましょう。

★六白金星さん、はい死線を越えて崖から這い上がった者だけに与えられるヌケ感と力強いすがすがしさを放っておられます。猛吹雪の北の山脈から鬼だらけの裏鬼門越えてようやく日の当たる丘にたどり着いた、今そんなお気持ちでしょうか。
ふと自身をふり返るとたぷたぷしてた腹のぜい肉が落ちて筋肉が8つに割れている、上腕三頭筋から上腕二頭筋にかけてしなやかな筋肉がついている、さらによく見れば大臀筋から大腿四頭筋、下腿三頭筋に向かって力強い曲線が走っていることでしょう、分厚い! バリバリ! 土台が小田原城! そんな声があちこちから聞こえてきます。
今のところ戌亥のなかで六白のみなさんが最も気力体力に満ちフットワークもいいですがなにせここは宇宙、地面を蹴って走ってるつもりでも端から見ればふわふわ浮いて空回りしてるだけ、本気出すのは地球に帰還してからと心得て今はコツコツ筋トレに励みましょう。身体の筋トレはもちろん心の筋トレも忘れずに、「先輩を敬う」「同僚と仲よくする」「後輩にやさしくする」「お年寄りに席を譲る」「困っている人がいたらできる範囲で助けてあげる」「改札口で前がつかえてもイヤな顔をしない」「香りの強すぎるハンドクリームを待合室ですり込まない」「せきやくしゃみはドラキュラスタイルで」「コストコの駐車場は無法地帯」など日々自分に言い聞かせ、今後ともより強くより美しくブラッシュアップしてまいりましょう。

★七赤金星さん、はい。チャーミングな笑顔にほんの少し困惑した表情が混じっていますね、本来ならば今年は人生が楽しくなる星まわりですがここ宇宙ではパルプンテが発動して裏目に出がち、人知れず気苦労が多いのではないでしょうか。
人の悩みは人間関係お金健康の3つに大別されますが最も多いのが人間関係、AさんがうっとうしいBさんが目ざわりCさんが気に入らないDさんが意味わからないなどZさんを越えてもなお延々と続きます。
世の中はどうでもいい人6割、苦手な人3割、好きな人1割が相場、しかし苦手な3割といちいち争っていては身が持たない、じゃあどう折り合いをつけるのかというところでみんな悩んで大きくなるのですね。
戌亥の七赤は人間関係において基本手練れなので好かれる確率が高い、たまにきついこと言っても愛嬌あるし何でもよく知ってるし座持ちが巧みだから一緒にいて楽しいというわけであちこちから人が寄ってくる、しかし大勢の人が寄ってくるということはいい人もいれば悪い人も寄ってくるわけで、イヤな目に遭う確率も当然高くなります。にこにこ寄ってくる人が必ずしも味方とは限らない、もしかすると笑顔の裏に嫉妬や悪意などひねくれた感情を隠しているかもしれません。
余計な勘ぐりをしないのが七赤の長所ですが今年は油断禁物、特に初対面の相手やネットで知り合った相手は簡単に信じないが吉、「人の本心は言葉でなく行動に出る」とキモに銘じて観察力をみがき、慎重に冷静に行動しましょう。

★八白土星さん、うわっムンクの叫ぶ人みたいなお顔になっていますね、ある意味こちらのみなさんが最も天中殺っぽいといいますか前門の虎後門の狼畑中葉子の後ろから前からどうぞ、易でいうところの沢水困(たくすいこん)もしくは水山蹇(すいざんけん)で四方八方逃げ場なしという状態でしょうかお疲れさまです。
天中殺の別名は「毒出し」、体内から毒素や老廃物を排出してピュアな心身を取り戻しましょうという宇宙の粋な計らいと申しますか恩恵とお考えください、決して忌むべきもの、恐れるものではないのです。
人生のサイクルはほぼ10年単位でらせん状にぐるぐる上昇していきますがさすがに10年生きてるとさまざまなものが溜まってまいります、心という器の中にシミ黒ずみ茶シブなどが付着するのでございます。日々入浴しようが部屋をきれいに掃除しようが神社参拝しようがこれはなかなかすっきり落ちません、じゃあこの頑固な汚れを2年間つけ置き洗いして除菌消臭漂白しちゃいましょうという12年に1度の塩素系の日々、これを天中殺と呼ぶのです。
みなさんだいぶアクが抜けてお顔に透明感が出てきましたね、汚れのないピュアな素肌を取り戻すまであと少しの辛抱です。これからプライベートオフィシャル問わずいろいろな方面から理不尽なことを言われたりああせいこうせいと意に添わない指図を受けたり余計な仕事を押しつけられるなどあまり愉快でないことが起こるかもしれませんが腐らない、気にしない、あきらめない。すべておのれを磨くための研磨剤、この人は私のためにあえてキッチンハイター役を買って出てくれたのだと感謝して「この試練をありがとう」、そんな心づもりで今後ともデトックスしてまいりましょう。

★九紫火星さん、ああっ叩かれてる叩かれてる出る杭が叩かれている。お辛いでしょうせっかく頑張ってレベルを上げたというのにボコボコ叩かれて。でもレベルが上がるということは幸運の規模が大きくなると同時に不運の規模も大きくなるということ、ほらゲームでもステージが上がるにつれてボスもだんだん強くなりますでしょう、レベル5にはレベル5のボス、レベル10にはレベル10のボスが待っている、それと同じです。
人生って「上に行けば無条件に幸せになれる」という単純なものじゃない、上に行けば行くほど試練のハードルもまた高くなると思ってください。そうやってひとつひとつクリアしながら器を広げ最終的にどのレベルまで行けるかが勝負、三途の川渡った先で「頑張ったじゃん」「大きくなったじゃん」と拍手で迎えられたいなら現世で頑張るほかありません。
さてあなたが叩かれるには2つの理由があります、ひとつめは愛のムチ、ふたつめはご自身の言動です。「そこまで叩かなくてもいいじゃん」とすねる前にここらで少し過去の行いをふり返ってみましょう、おごり高ぶり上から目線が少しでもありませんでしたか? 「コンビニ行くならついでにコーヒー買ってきて熱々の肉まんピザまんカレーまんも、寒いから早くね」「あなたのために言うけどそのメイクと髪型、半魚人みたい」「頭も顔も今ひとつだけど性格はいいよね」。
戌亥の九紫は目から鼻に抜けてそのままスルッと歯に衣着せぬもの言いをしがちですがそれによって角が立つことも少なくありません。発言前にこれ言ったらどう思うかなと相手の気持ちになって考えてみる、そんな心の余裕を持つようにすれば叩かれる回数も徐々に減ってくるでしょう。

・・・はい、こんな感じです。
2018年立春に地球を旅立ちましてから1年、本船は予定通り順調に運航しております。
この先のフライトもしっかりお楽しみいただけますようさまざまなイベントが用意されております。去年1年間で人間的にどれだけ成長したかを測る抜き打ちテスト、頑固な茶シブがなかなか落ちない方には高圧洗浄、弱い自分から強い自分へと導いてくれる鬼軍曹の登場、真っ暗闇の迷路をおのれの心のともしびを頼りに脱出するチャレンジングゲーム、すごく重い荷物をかついで坂を延々と上るゴルゴダの丘のぼり、さあこれでもかとたたみかけてくるトラブルの舞い踊りなどバラエティに富んでおりますのでどうぞご期待くださいませ。
だいじょうぶ、みなさんならすべてのイベントをクリアできるでしょうし、試練を越えたあかつきには人としてひとまわり大きく強く美しく成長していることでしょう。

この先多少の揺れが予想されますのでシートベルトを腰の低い位置でしっかりお締めになり、手に余る手荷物は座席の下に置くか頭上の収納棚にしまう、もしくはブラックホール行きのゴミ運搬船に乗せて永遠におさらばしてください。
ご気分のすぐれない方には船酔いの薬、鎮痛薬、ツボ押し棒、ヨン様の微笑みに出会える冬のソナタ全巻セット、神社のお札などのご用意がございますので遠慮なくCAにお申しつけくださいませ。

本船の地球帰還は2020年2月3日の節分を予定しております。2018年を無事に越えてきた方もあまり上手に越えられなかった方も気持ちをしっかり引き締め、後半の1年を楽しく有意義に過ごしてまいりましょう。
それでは引き続き安全で快適な空の旅をお楽しみください。次回ミーティングでまたお目にかかりましょう。一同礼。(CA一同深くおじぎ。)
Good Luck、Thank You。