病院の選び方

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 病院選びというのは、なかなか難しい。信頼できるかかりつけ医がすでにいる人はいいが、ふだんあまり病気をしない人や引っ越して間もない人は、どこにどんな病院があるかよく知らないし、たとえ知っていたとしても、具体的な評判まではなかなか耳に入ってこない。たとえ有名な病院でも、自分と相性がいいかどうかは行ってみるまでわからない。
 で、たいていネットで検索することになる。
「○○市 病院 ○○科」で検索すると、出るわ出るわ。聞いたこともない名前の病院がわんさか出てくる。しかしそのほとんどは、名前と住所と電話番号と開業時間と地図くらいしか載っていない。運よくホームページがあれば何となく感じはつかめるが、逆に「やめたほうがいいかも・・・」と悩むこともある。で、限られた情報の中で患者はあれこれ迷うのである。
「A病院はうちから近いけど今日は休診日だし、B病院は今日はやっているけどすっごく遠いし、C病院はホムペを見たけど医者の顔が全然好みじゃないし、D病院は大学病院だから待たされそうだし。ああもう、いったいどこに行けばいいの?」
 懊悩し、頭をかきむしっている間にどんどん具合が悪くなっていく。そういうときはどうするか。
 方位で決めるという手がある。自宅から見て吉方位の病院を探すのである。
「吉方位」とは自分を後押ししてくれる方位であり、ツキを与えてくれる方位とされている。
 厳密に言うと北、東北、東、東南、南、南西、西、北西の8つの方位にはそれぞれ独自のパワーが流れていて、たとえば北の吉方位の病院なら「心も身体もじわじわ癒やされる」、東北は「奇跡が起こって一気に挽回できる」、東なら「気持ちが前向きになってイヤでも元気になる」、東南なら「複雑な体調がスムーズにととのう」、南なら「ブラックジャックみたいな医師がいる」、南西は「時間はかかっても確実に治る」、西なら「いい待遇を受けておだやかに養生できる」、北西なら「その道の権威が担当してくれる」などの作用が期待できる。
 避けたいのは凶方位の病院だ。
「治るはずの病気がなかなか治らない」とか「あり得ない医療ミスが起こる」とか「治療費が予想以上にかさむ」とか「相性のよくない看護師に当たってしまう」などのアクシデントが考えられる。

方位で決める」という方法を知っていれば、ああどこにしよう、どこにすればいいのと頭を抱え込まなくて済む。選択肢が限られるので悩む労力と時間が節約できるし、「ここは大吉の方位だからだいじょうぶ」と自信がつき、初めての病院を訪れる不安も多少は軽減するだろう。
 ただし方位学は奥が深く、初心者は戸惑うことも多い。方位に流れる気は年、月、日、時刻単位で刻々と移り変わっていくし、自分の九星(一白水星とか二黒土星とかいうやつ)との相性もあるし、もとよりそれぞれの方位の特徴を覚えるのもひと苦労だ。
 だから、最低限「凶方位の病院は避ける」と心しておくだけでもいいと思う。ちなみに2013年の凶方位は北西だ。北西の凶方位の病院に行くと「医師とそりが合わない」「あてが外れやすい」などの作用が出やすいので注意されたい。

 もちろん、たとえ吉方位でも「スカ」を選ぶ可能性はある。方位云々の前に、いい病院もあればそうでない病院もあるからだ。だから「方位さえよければどこでもいい」と思い込むのは危険である。
◎入り口が乱雑で汚れている病院
◎清潔感のない病院
◎陰気で枯れた雰囲気の漂う病院
◎人気のない病院、つまり流行ってない病院
◎受付に愛想がない病院
 これらの病院には、たとえ吉方位であっても君子危うきに近寄らずである。

 人は本能的にいいものと悪いものを嗅ぎわける。だからいい病院には自然に人が集まるし、そうでない病院には人が集まらない。それは病院に限らず、不特定多数の人間が集まる場所、たとえばホテルでもスーパーでもレストランでもみな同じだ。
 一見しただけでは判断できないとか、勘が働かない場合は、誰か年輩者にたずねてみるといい。たぶん正解を教えてくれると思う。ちなみにネットの口コミはほぼ頼りにならない。
 候補が二カ所ある場合は、行く前に両方に電話して、相手の対応で判断すればいい。「あのう、今日は何時までやっていますか?」でも、「今日は混んでいますか?」でも、なんでもいい。電話に出た人の声が明るく、ホッとする感じなら「行ってOK」、雰囲気が暗かったり、「あれ? なんか違和感がある」と思うなら「行かないほうがいい」と判断する。どちらも同じような印象なら、それほど違いはないということだ。

 以上のことを抑えておけば、大きなミスは防げると思う。
 いい病院がスムーズに見つかり、あなたの痛みやつらさが一刻も早く治りますように。

2010.06.09