埋め立て地の果て

24

平日の埋め立て地には誰もいない。
船の博物館の奥を進むと、海の見える公園が広がっている。
ベンチに座り、西日を浴びながら黒い海をながめる。光が乱反射してまぶしい。
海の向こうには、悠然と立つ大キリン。
キリンの背中に乗り、風に吹かれながらぼんやり海を見つめる自分を夢想する。
私はいつも、「ここ」ではない場所にあこがれる。

2009.04.12