見世物小屋

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「親の因果が子に報い、かわいそうなはこの子でござい」の口上に釣られて東京新宿は花園神社の見世物小屋へ。毎年酉の市に小屋が建つのは知っていたが、入るのは初めてだ。
 天井桟敷を彷彿させるアングラ演劇に大道芸とサーカスとお笑いをプラスしてお化け屋敷で割ったような淫靡な雰囲気に満ち満ちた小屋の中はまさに異界、声のかすれたおばちゃんの司会進行でさまざまな出し物が次々に繰り広げられていく。
 年季の入ったお姉さんの火炎放射や大蛇さんいらっしゃいやチェーンの鼻入れ口出しと「あなたの知らない世界」がてんこ盛り、若くて美しくてわけありのお嬢さんの蛇の躍り食いに至っては完全にデビッド・リンチの世界、紫色のカルトな世界に圧倒されつつほてった頭で小屋を後にした。
 その晩布団に入ってから見世物小屋のオールスターがのそのそと境界線を這い上がって登場、頭の周囲をぐるぐるまわりながら一晩中ラインダンスを踊ってくださりああもう勘弁してぇ〜になったことは言うまでもない。

2012.12.27